前回ではイシガメの健康の栄養面についてお伝えしましたが、今回は意外と見落としやすい水と風のコントロールといったポイントについてお話したいと思います。
イシガメは水ガメ(ヌマガメ)なのか山ガメなのかといった論議は一応置いておくとして、イシガメの観察を続けていると、かなり嗅覚が敏感であることがわかります。
水中でも陸上でも嗅覚が敏感な感じです。
自分の好きな餌ですとかなり遠くでもわかるだけでなく、仲間の健康状態や初めて見るものなど、まず最初に鼻を近づけて臭いをかいでいます。
この様子から考えますと、水中生活の場合や飼育環境全体にわたって、嗅覚が健康にも密接に関係していると考えられます。
イシガメは飼ってみるとよくわかるのですが、実に大量の水をゴクゴクと飲みます。
朝目覚めた時や餌を食べた後なども、こくっこくっと音が聞こえるぐらい水を飲みます。
水や餌が少しでも臭うと、もう口にしません。
このことから飼育環境の水は清潔に保たないとイシガメの健康にかなりのストレスがかかるようですね。
水の場合は人間にはきれいに見えても、イシガメにとっては臭いのある汚染水であることが多く、水が飲めないだけで消化系や循環系の病気を起こしやすくなります。
さらに水による中毒や感染症も発症します。
水道水はカルキが嫌いなようで飲みません。
イシガメの健康な飼い方の基本は、常に新鮮な水を与えてあげるというのが、最も重要なポイントだと思います。
飼育下では、この問題がとても難しいのですが、我が家では水は少な目にして飲み水程度の量を小型のバットに注ぐというやり方をやっています。
また、水は水道水を一晩汲み置いたものを使用しています。
カルキはカメが嫌うだけでなく、皮膚組織や目などに刺激が強すぎるように感じます。
イシガメは水を新しく変えてやると、まず水を飲んで、そのあと体を浸して遊んだり、排泄したりしていますが、水が汚れてくると水から出て寝ています。
しばらくしてまた水を換えてあげると、喜んで再び水場にやってきて水を飲むという繰り返しで調子も良いようです。
水槽利用の飼育施設では大量の水の管理が大変です。
イシガメにストレスを与えないような水質管理がとても難しく、カビや雑菌も繁殖しやすい環境です、そこで少量の水を頻繁に換えてあげる方が、楽ですし、イシガメのストレスも軽減し病気にもかかりにくいようです。
この他にも、飼育環境では排泄物や仲間や自分の体臭といったものが問題となるようで、かなり嗅覚的なストレスも心配になります。
換気などによる穏やかな空気の流れはイシガメにとっても歓迎されているようです。
試みに風を与えてみると、風の来る方向に向かってくるカメや元気が出て活発になる様子を観察できると思います。
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